こんにちは。
代表理事の保田です。

今日は重たいテーマになりますが
あなたにも是非一度真剣に考えて
いただきたいので取り上げる
ことにしました。

そのテーマとは

 安楽死

です。

あなたは安楽死とはどういった
ものかを明確に説明できますか?

よく尊厳死と安楽死をごっちゃに
している方がいますが、まったく
違うものなので、そのあたりから
説明したいと思います。

尊厳死とは本人が延命治療を
希望しない場合、その意思を
尊重し延命治療を中止し、
自然死を迎えることを指します。

これに対して安楽死は苦痛を
長引かせないために、薬物などを
用いて積極的に命を断つことを指します。

 

日本の法律では尊厳死は認められて
いますが、安楽死は認められて
いません。

安楽死を行った場合、その医師は
殺人罪に問われます。

実際に安楽死を行った医師は
罪に問われてしまいました。

「医師が患者を殺すなんて
とんでもないことだ」

とあなたは思うかもしれません。

ですがもしあなたの大切な人が
苦痛にもだえ「楽に死なせてくれ」
と頼んできたらどうしますか?

 

今の日本では、どんなに苦しんでいても
生かし続けなければいけません。

 

一方オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、
スイスなどのヨーロッパ諸国では安楽死が
認められています。

なかでもオランダは2002年に安楽死が
世界に先駆けて認められた安楽死先進国
です。

昨年は6585人が安楽死を選択した
そうです。
法施行直後に比べ3倍増加し、実に
死者23人のうち1人が安楽死で
亡くなっていることになります。

イメージしやすいように実例を
示します。

62歳でアルツハイマー病と
診断されたヤンヘンク・
リーテマさんは、

認知症と診断されてから2年半、
自分が失われる苦痛に耐える
ことができず、医師に致死薬
処方を頼みました。

家族も本人が苦しむ姿を見てきたので
反対できなかったとのことです。

葬儀広告を自分で出し、
別れた妻や子供の前で
オルガンを披露し、別れを
告げたそうです。

他にも「末期がんの父の最期を、
家族でワインを飲んで思い出話
をしながら見送った」

「祖父の安楽死の日、
お別れをするために学校を
早退した」

といったようなことが当たり前
になっているそうです。

 

このような話を聞くと
安楽死は悪いものだと断定
できなくなりませんか?

 

最近日本では

介護疲れで子供が親を
殺めてしまったり、

「苦しいからもう殺してくれ」
と頼まれ夫が妻を殺めたり
するニュースをよく耳にします。

家族間で殺人が生じてしまう
くらいなら、安楽死という
選択肢がある方が良いと
思いませんか?

 

このように書くと私が
安楽死を推奨している
ように思うかもしれませんが
決してそんなことは
ありません。

私自身、答えは出せていません。

 

安楽死と聞いて思い出すのは
手塚治虫先生の名作
『ブラックジャック』
に出てくるDr.キリコです。

Dr.キリコは安楽死専門の
医師です。

苦しむ人を解放するために
安楽死を行っているのですが、

どんな状況でも命を諦めない
ブラックジャックとは常に
対立します。

しかしブラックジャックは
Dr.キリコのことを全否定
できない部分もあるのです。

あのブラックジャックでさえ
人の死に対してはっきりと
した答えを出すことが
できないのです。

安楽死問題に正解はありません。

最後はその人の人生観、
宗教観、哲学といった
ものが最優先されるべき
だと思います。

安楽死の是非は答えの出ない
問題ですが、考えることに
意味があります。

あなたもこの機会に是非一度
考えてみて下さい。