こんにちは!

代表理事の保田です。

 

人工心臓がついに実用化されました!

 

元来、末期の心不全状態に対して心臓移植が唯一の治療法でした。

しかしドナー(臓器提供者)は常に不足しており、心臓移植を待ちながらお亡くなりになる方が、アメリカだけでも日に17人いると言われています。

人工心臓が実用化することで、ドナーが現れなくても生き長らえることが可能となります。

今までにも人工心臓はありましたが、心臓移植までの待機期間をしのぐための一時的なもので、実用的ではありませんでした。

今回実用化されたフランスCARMAT社が開発した人工心臓デバイス「Aeson」は、約5年間は元々の心臓と完全に置き換えられるよう設計されています。

材料はウシの組織を含む「生体適合性の高い素材」で作られているため、拒絶反応も起こりにくくなっています。

本物の心臓と同じように、2つの心室と4つの生体弁を持ち、大動脈または肺動脈に血液を送り込む小さな電気モーターで作動します。

さらに、センサーによって血流の範囲を自己調整するように設計されています。

ただ重さは900グラムと典型的な心臓のほぼ倍の重さがあり、電力は外部機器から供給されるため約4㎏のデバイスを持ち歩き、バッテリーは4時間ごとに充電しなければなりません。

Aesonは2013年から臨床試験を開始ししました。2020年12月にはCEマークを取得し、ヨーロッパでは治療として使用できるようになりました。

CEマークとは、製品がEU (欧州連合) 加盟国の法律に適合した証としてつけられる基準適合マークです。

ヨーロッパで最初の手術はナポリMonaldi病院で2021年7月19日に行われました。

ヨーロッパに次いでアメリカでも米国食品医薬品局(FDA)がAesonの臨床研究の一環として、2021年7月27日米国で最初の手術がデューク大学病院で行われました。患者はノースカロライナ州シャロットに住む39歳のマシュー・ムーアさんです。ムーアさんは当初、心臓バイパス手術を受ける予定でしたが、病状が悪化するにつれ、医療スタッフの手に負えなくなり、通常の心臓移植でもリスクが高い状態になってしまい、人工心臓移植を行うことになりました。術後の経過は良好とのことです。

今後、人工心臓移植が一般化すれば、多くの命が救われることになることでしょう!