こんにちは!

代表理事の保田です。

 

日本が欧米に比べて新型コロナウイルス

による被害が少なくすんでいる理由

について、いくつかの仮説が立てられて

います。

 

今日はそのうちのひとつである

『BCG接種のおかげ説』に

ついてお話したいと思います。

 

動画解説はこちら↓

BCGとは結核を予防する

ワクチンの総称です。

 

日本では生後1歳までの行うよう

義務付けられています。

 

しかし国によってはBCG接種を

推奨していなかったり、行って

いなかったりします。

 

 

BCG接種を行っている国では

新型コロナウイルス感染症の

感染拡大が遅い傾向にあることが

判明してきました。

 

さらに日本をはじめタイ、イラク

といった死亡者数が極端に少ない

国の共通点として、BCG接種を

行っているという点も注目され

ています。

 

 

逆にBCG接種を行っていない

北米、イタリアなどの国々や、

 

以前は行っていたが現在は推奨

されていないフランス、スペイン、

イギリスなどの国々では、

 

新型コロナウイルス感染症の

感染者数、死亡者数ともに多く

なっています。

 

これは偶然でしょうか。

 

 

さらに興味深いデータが

あります。

 

隣同士で陸続きの国である

スペインとポルトガルを比較すると、

感染率はスペインがポルトガルの

約3.5倍にもなっていました。

 

前述したようにスペインはBCG

接種を行っていません。

 

いっぽうポルトガルは行っています。

 

 

またイラクとイランも隣国ですが

イランの方が感染率がなんと

約33倍にもなってしまいました。

 

 

両国ともBCG接種は行って

いるのですが、感染率が低かった

イラクが日本株BCGを用いたのに対し、

 

イランは自国オリジナルのBCG株を

用いていました。

 

どうやらBCGの株による差もあるようです。

 

 

BCG接種が結核以外にも、様々なウイルス

に対して効果があることは以前から

知られていました。

 

また抗ガン作用も指摘されており、

皮膚結核用に開発された丸山ワクチン

をガン治療に用いたり

(現在は治験として一部医療機関でのみ

行われています。

 

ただし放射線治療の副作用を減らすための

併用療法としては認可され、健康保険

適応になっています。)

 

BCGワクチンに改良を加えた

ワクチンを用いたガンに対する

免疫療法(自費診療)なども

一部では行われています。

 

 

BCG予防接種になぜこのような

作用があるのかは不明な点も

多いですが、

 

説として有力なのが、

免疫細胞の一種である

単球の遺伝子スイッチが

切り替わり、

 

免疫系を活性化させる

サイトカインという物質が

大量に分泌されるためと

いうものです。

 

 

新型コロナウイルス感染症に対して、

BCG接種が予防効果がありそうだという

結果を受け、

 

オーストラリア、オランダ、ドイツで

新型コロナウイルス感染予防を目的

として、BCG接種を医療従事者に

対して開始しています。

 

今後予防効果に関する検討が行われ、

発表されると思うので、結果を

待ちたいと思います。

 

 

BCG予防接種以外にも日本が

新型コロナウイルスによる被害が

少なくすんだ要因として、

 

・肥満率の低さ

 

・スキンシップのない文化

 

・弱毒な新型コロナウイルス株が蔓延

 

・昨年のうちに訪日中国人によってすでに

持ち込まれていて、多くの人が免疫を

獲得していた

 

などがあります。

 

どれかひとつではなく、様々な要因が

からんで、非常事態宣言解除に繋がった

ものと思われます。

 

とはいえまだ油断はできません。

 

スペイン風邪も第2波の方が

致死率10倍と被害は甚大でした。

 

しかも第2波は若年層に被害が

大きかったという特徴があり

ました。

 

いきなり元の状態に戻るのではなく、

引き続き予防につとめながら、

経済活動も回せるバランスを

見つけることが当面の課題に

なると思います。