こんにちは!

代表理事の保田です。

 

膝の軟骨が減ってしまうことで

膝が痛くなる病態を変形性膝関節症

といいます。

 

変形性膝関節症の人は国内に

約2,500万人もいます。

 

国民の5人に1人は変形性膝関節症

ということになります。

 

子供を除外すると3人に1人ぐらいに

なる計算です。

 

初期であれば太ももの筋力を

強化したり、ヒザ周囲の筋肉を

ストレッチするなどのリハビリで

治ります。

 

ある程度進行してしまうと、

リハビリだけでは改善しないので

消炎鎮痛剤を内服したり、

 

ヒアルロン酸という軟骨を

保護する成分を注射したりします。

 

ヒアルロン酸の注射をしようとすると

「ヒアルロン酸は飲んでいるんですが」

とよく言われます。

 

確かにテレビやチラシで

膝の悩みを解決するヒアルロン酸や

コンドロイチンなどのサプリを

たくさん目にしますが、

 

医学的に効果のあるものは

ありません。

 

なぜならヒアルロン酸にせよ

コンドロイチンにせよ

口から摂取したものは吸収

されることなく便として

排泄されてしまうからです。

 

 

変形性膝関節症はさらに

進行すると手術が必要に

なります。

 

手術には

・関節鏡視下手術

・骨切り術

・人工関節置換術

があります。

 

関節鏡視下手術とは

膝の前面に1㎝ほどの切開を

2か所加えて、片方の切開部位から

内視鏡のカメラのような小型の

カメラを関節内に挿入して

中の様子をモニターで見ながら

 

もう一方の切開部位から小さな

器具を入れて治療する方法です。

 

小さな創で治療できるため体への負担は

少なく済みますが、完治させることは

難しいです。

 

ただし半月板損傷や靭帯断裂などは

関節鏡視下手術でも完治させることが

できます。

 

 

骨切り術とは、変形性膝関節症の

原因となっているO脚を矯正する

方法です。

 

すねの骨を切って矯正するため

体にかかる負担が大きいうえに、

切った骨が接着するまで時間が

かかるのが難点です。

 

昔は主流でしたが、最近はあまり

行われなくなっています。

 

 

最近主流なのは人工関節置換術

です。

 

人工関節置換術とは、

膝関節の軟骨を切除

した後、金属(チタン合金、

コバルトクロム合金など)

と超高分子ポリエチレンに

置き換える方法です。

 

手術は1時間ほどで行えるうえに、

術後すぐに体重をかけられるため

早期に退院が可能なので、主流と

なっています。

 

ただし15年ほどで緩んだり

すり減ったりしてくるため

交換が必要になります。

 

また創が感染してしまうと

人工関節を取り外す必要が

あります。

 

このような手術に加えて

アメリカではお亡くなりに

なった方の関節を移植する

手術も行われているようですが、

日本では倫理的、法的に導入は

難しいと思います。

 

 

近い将来、自分の軟骨細胞を培養して

移植する手術が実現すると思われますが

もう少し時間が必要そうです。

 

 

まずは予防が大切です。

太ももの筋力を鍛えるために

ハーフスクワットなどを行い、

 

膝周囲の筋肉のストレッチを

行うようにしましょう。