骨折はガンより怖い

こんにちは、代表理事の保田です。

今日は整形外科医である 私の専門領域について話したいと思います。
 
整形外科では骨や筋肉、じん帯、神経に関わるケガや病気の治療をしますが、高齢化にともない特に増えているのは骨折です。

足元が弱ってきて転倒すると腰の骨や太ももの骨、手首の骨を折ってしまいます。

骨折をすると痛かったり動けなかったりするだけではすみません。

多くの方がご存知ないようですが腰や太ももの骨折をすると、死亡の危険性は約2倍に増えると言われています。
 
実はガンになるよりも寿命が短くなるんです。
 
もう少し具体的に言うと 腰の骨を骨折すると約40%の 人が5年後に死亡します。

太ももの骨折に関しては 約50%もの人が5年後には死亡してしまいます。

しかも半年以内の死亡率が非常に高いです。

健康寿命だけでなく、寿命を延ばすために、骨折の予防が重要です。

骨折予防には大きく分けて
 ・食事
 ・運動
 の二つがあります。


 
 
食事に関してはカルシウムばかり気にする方が多いですが、他にもタンパク質、ビタミンD、n-3系脂肪酸も必要です。

特にn-3系脂肪酸は太ももの骨量を増やすのに最も影響が大きいことが分かってきました。

カルシウムを摂取するために牛乳を飲む方が多いですが、牛乳を摂取するとかえって骨量を低下させるという研究結果が出ています。

カルシウムを摂取するのであれば小魚や豆製品(豆腐、納豆など)、海藻(ひじき、昆布など)、野菜(ほうれん草、小松菜、チンゲン菜など)から摂取するのがおすすめです。

タンパク質は肉や魚、豆製品で摂取できます。

ビタミンDは魚介類、キノコ類、卵などに多く含まれます。

n-3系脂肪酸とは魚油に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)、 DHA(ドコサヘキサエン酸)や、シソ・エゴマ・キャノーラ、大豆油などの植物油に含まれるα‐リノレン酸のことです。

ようはバランスのよい食事をすることが大切ということです。

運動に関しては、転倒しないために筋力やバランスを訓練することはもちろん重要ですが、骨量を増やす運動を心がけることも同様に重要です。
 
骨量を増やすにはHigh Impact Exerciseが有効であると、日本臨床スポーツ医学会では提唱しています。

High Impact Exerciseとはジャンプして着地したり、段差を昇り降りしたりなど、骨にかかる負荷が大きい運動のことです。

足腰が弱っていると骨に負荷をかける運動は難しいので、その際はどこかにつかまった状態で片足立ちするだけで良いです。

リハビリを行う際は、骨に負荷をかけることも意識しましょう。