こんにちは!
代表理事の保田です。
新型コロナウイルス感染症の
影響で、感染予防への意識が
世界的に高まっています。
特に日本は諸外国に比べ、
マスクの着用率や手洗い、消毒
など感染予防の実施率は非常に
高くなっております。
確かにこのような物理的な感染予防は
効果的ですが、絶対的ではありません。
いくら予防してもウイルスが鼻や口から
侵入してしまう可能性があるからです。
予防しているにも関わらず、
ウイルスが侵入してしまったとき、
あなたを守ってくれる意外なものが
あります。
それは唾液、いわゆるツバです。
あまり知られていませんが、
唾液には体を守るために必要な
様々な物質が含まれています。
唾液には10種類以上の
成長因子や免疫物質、抗菌物質が
含有されます。
成長因子とは細胞を活性化させ、
傷の修復を早めるものです。
口の中の傷の治りが早いのは
唾液に含まれる成長因子のおかげです。
動物が傷をなめて治すのは、本能的に
唾液によって傷の治りが早くなったり
感染しにくくなったりするのを
知ってのことです。
唾液に含まれる多くの物質のうち、
感染予防において最も重要なのが
IgA(免疫グロブリンA)という
物質です。
IgAは細菌やウイルスにくっついて
働きを抑える作用があります。
唾液以外にも鼻水や涙、母乳にも
含まれます。
風邪やインフルエンザ、
新型コロナウイルス感染症などの
原因となるウイルスや、肺炎の原因と
なる細菌は、主に鼻や口から侵入して
体内で増殖します。
そのため鼻や口でウイルスや細菌の
働きを抑えることが、感染予防上
重要となります。
そこで人間や動物には、唾液や鼻水に
IgAを含ませるという能力が備わったと
思われます。
せっかく備わったこのような防御機能
ですが、唾液の分泌が少ないと、
効果を発現できません。
唾液は脱水状態になると分泌
されにくくなります。
水分をこまめに摂るようにして
脱水にならないよう心がけましょう。
水分をこまめに摂ることは
口やノドにいるウイルスや細菌を
洗い流す効果もあり、うがい以上に
予防効果が高いです。
ただしコーヒーやお茶などの
カフェインを含む飲料や
アルコールは、利尿作用が強く、
かえって脱水を起こしやすく
なるので気を付けてください。
健康に良いと考えられている
運動も注意が必要です。
運動をすることで、脱水や鼻や口の
乾燥を引き起こしやすくなります。
そればかりではありません。
過度な運動によってIgAの量が
減ることも分かっています。
脱水や乾燥に気を付けながら
適度な運動を心がけてください。
体が冷えると唾液の分泌量が
減ることが分かっています。
体を冷やさないよう気を付けて
ください。
暑くても、せめて首周りにスカーフや
ネックウォーマーを巻いて、唾液腺への
血流が低下しないようにしましょう。
唾液量を増やす栄養素に
イソフラボン(例:大豆)
ケルセチン(例:玉ねぎ)
リコピン(例:トマト)
食物繊維(例:ゴボウ、海藻)
乳酸菌(例:キムチ、乳酸菌飲料)
などがあります。
食事に摂り入れるように
してください。
最後に唾液の分泌を促すために
すぐできて効果的な方法を
お伝えします。
それは『よく噛んで食べる』
ことです。
しっかり噛んで食べることで
唾液量が増え、IgAの分泌量も
増えます。
早食いを避けて、よく噛んで
食事をしましょう。