こんにちは!
代表理事の保田です。
僕の大学時代の後輩の一人が
消化器内科医をしています。
彼は普段は寡黙な男なのに、
便の話になると急に饒舌になり、
便の可能性について熱く語り
始めます。
便とは大便、つまり「うん〇」
のことです(^^)
みんな彼のことを尊敬の念を
込めて『うん〇先生』と呼んで
います。
なかでも便移植を専門としており、
便移植につていは話が止まりません。
「便移植ってなに?」
とあなたは思ったのでは
ないでしょうか。
便移植は最新治療のひとつで
最近脚光を浴びている分野なので、
今日は便移植についてお話したいと
思います。
便移植とは、文字通り
健康な人の便を患者さんの腸に
移植する治療法です。
正式には
腸内細菌叢移植、糞便微生物移植
などと呼ばれ、
英語では
Fecal Microbiota Transplantation: FMT
といいます。
具体的な方法ですが、
とても簡単です。
健康な人から採取した便を
生理食塩水で薄めたのち、
メッシュのフィルターで固形物を
こして便溶液を作ります。
その後便溶液を、管を鼻か肛門から挿入
して腸に注入するか、内視鏡を用いて
便溶液を腸に散布します。
FMTの主な治療目的は
偽膜性腸炎の治療です。
偽膜性腸炎とは、抗生物質を使用
することで、腸内にいる善玉菌が
大量に死んでしまい、代わって
クロストリジウム・ディフィシル
(Clostridium difficile)という毒素を
産生する悪玉菌が増殖し、腹痛,下痢,
血便などを引き起こす病気です。
重症化すれば命に関わります。
偽膜性腸炎以外にも、腸内の善玉菌と
悪玉菌のバランスが崩れることで
発症する病気には以下のものが
あります。
便秘・下痢
潰瘍性大腸炎
過敏性腸症候群
肝性脳症
非アルコール性脂肪性肝炎
肥満・糖尿病
多発性硬化症
自閉症
気管支喘息
動脈硬化症
など。
『腸活』が流行っている背景には
腸内環境が実に様々な病気に
関係していることがあります。
これらの病気のうち
潰瘍性大腸炎
過敏性腸症候群
肝性脳症
メタボリックシンドローム
に対して便移植の有効性が報告
されています。
他の病気に対しても便移植の
有効性を調べる研究が進められて
います。
後輩が言うには、とても元気な人の
便を移植すると、移植された人も
とても元気になるしょうです。
海外では20年以上前から行われて
いる治療法なのですが、日本では
最近始まったばかりです。
そのため今は限られた医療機関で
臨床研究として行われている状況
なので、自費診療となります。
ご興味があれば『便移植 都道府県名』で
検索して、お近くの医療機関をお探し
ください。