あなたは夏になると肩こりや腰痛、頭痛、関節痛、神経痛が出て悩んでいませんか?

実はそれ、クーラーが原因なんです。

なぜならばクーラーによって体が冷えすぎると様々な害が体に及ぶからです。

整形外科外来にもクーラーが原因で肩こりや腰痛、関節痛、神経痛が出現した患者さんが多くいらっしゃいます。

僕自身、先日ひどい頭痛が出現して大変な思いをしました。

分析をした結果、クーラーによって筋肉の緊張が強まったことで起こった筋緊張性頭痛だと分かりました。

今回は暑い日の過ごし方についてお話します。

この記事を読めば、暑い日の正しい過ごし方が分かるようになります。

人間には暑さに対処する機能が備わっている

僕たち人間は恒温動物(こうおんどうぶつ)です。

恒温動物とは、周囲の気温が変化しても体温を一定に保つ能力が備わっている動物のことです。

対してトカゲのような周囲の気温と一緒に体温が変化する動物を変温動物といいます。

恒温動物は、気温が高くなると脳に情報が伝わり、体温を下げるシステムが始動します。

僕たち人間は汗をかいて皮膚の表面を冷やし体温を下げます。

暑い日は部屋を冷やさずに汗をかいて体温を下げるのが最も理にかなっているのです。

生理現象を狂わせる文明の利器

日本ではほとんどの家庭や店舗、オフィス、公共交通機関にクーラーが設置されています。

そのため暑い日であっても室内は涼しい状態で過ごすことができます。

しかしクーラーで快適に過ごせる社会が体に害を及ぼしています。

本来であればクーラーがなくても人間は暑さに耐えることができます。

先日テレビで世界一暑い国ジプチを扱った番組を見ましたが、撮影時の気温も50度を超えていました。過去には気温が70度まで上昇したこともあるそうです。

それでもジプチの人たちはクーラーのない生活をしています。人種が違うとはいえ僕たちと同じ体の作りのジプチの人が耐えられるのであれば、僕たちも耐えられるはずです。

炎天下で作業をしている人の言葉を聞いて、僕の中で常識が覆りました。

その人は「暑くないですが?」と質問され、「いつもこんな感じだから暑いとは思わない」と答えたんです。

ようは慣れの問題なんです。

僕たち日本人は幼いころからクーラーのある生活に慣れ過ぎてしまって、暑さに耐えられなくなってしまっています。

<暑くて汗をかく=不快>

と感じるようになってしまい、少しでも暑いと感じるとクーラーを入れます。

その結果暑さに対する耐性が下がり、クーラーなしでは生活できない状態になっているわけです。

人間は『快』を求め文明を発展させてきました。

それ自体は素晴らしいことです。

しかし進み過ぎた発展は退化を引き起こします。

生物は不快な状況を乗り越えようとして進化してきました。

ところが人間は文明によって不快を減らした結果、退化しています。

例えば移動手段を快にするため、自動車や機関車が発明され生活は格段に便利になりました。

その反面歩く機会が減ってしまい、昔の人たちに比べて骨や筋力が弱くなっています。

快を求めて文明が発展すると、それと反比例するように何かしら体に備わった機能が低下します。

クーラーも同様です。

暑さに対する耐性が下がり、熱中症になりやすくなっています。

まずは<汗をかく=快>と感じよう

人類は500万年の間、暑さにも寒さにも耐えて生き抜いてきました。

あなたは過酷な環境を生き抜いた人類の末裔なんです。

暑さに耐える力が本来備わっています。

まずは

<暑さで汗をかく=快>

と感じるように感覚を戻しましょう。

人間は本来、汗をかくことを快と感じるようになっています。

人類が狩りをしていたころ、汗をかくことを不快に感じる人と快に感じる人がいたら、どちらが生き残れたと思いますか?

汗をかくことを不快に感じる人は、狩りが嫌いで獲物を捕まえることができず、生き残ることができなかったでしょう。

逆に汗をかくことを心地よく感じるタイプの人は、狩りが好きで獲物を捕まえることができ、生き残れたはずです。

ですから僕たちには汗をかくのを心地よく感じる遺伝子が組み込まれています。

その証拠に、運動をして汗をかくと気分がスッキリします。

最近サウナが流行しているのも、汗をかくことを多くの人が快と感じている証拠です。

幼少期は汗をあくことなど気にせず、外で夢中になって遊びまわっていたはずです。

今日から暑くてもすぐにクーラーを入れるクセを治していきましょう。

僕も慣れるまでは暑いとついクーラーをつけようとしてしまいがちでした。

そこで

「暑いと感じたぞ。今、脳がサーモスタットを始動したところだ。ここでクーラーを入れてしまうと脳が混乱してしまう。もう少しするとジワーと汗をかきはじめて体温を下げてくれるから待とう。おっ、汗が出始めてきたぞ。汗をかくって気持ちいがいいな~。」

といった具合で体に備わった体温調節機能を発動させましょう。

慣れてくると暑さを不快と感じなくなります。

僕は一人で過ごす際はクーラーは一切使わずに済ませています。寝室にもクーラーはありません。

汗をかく習慣が身に付けば、熱帯夜でも扇風機があれば十分です。

熱中症には注意を

ひとつ注意点があります。

人間は体温調節に汗を使うため、水分と塩分が失われてしまいます。

そのため汗の量の合わせて水分と塩分を補給しないと熱中症になってしまいます。

経口補水液など電解質を含んだ水分を摂取するよう心がけましょう。

まとめ:究極の暑さ対策は汗をかくこと

人間には500万年間生存してきた様々な機能が備わっています。

しかしせっかくの機能も、文明の利器を多用し過ぎることで退化してしまいます。

暑さに対しては汗をしっかりかくことが究極の暑さ対策です。

暑がりの方は冷感グッズが色々あるので活用し、できるだけクーラーに頼らないようにしましょう!

炎天下でも日陰の様な涼しさ【ラディクール】

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