あなたは今よりも脳の機能をアップさせて、いつまでも脳力の高い状態を保ちたいと思いませんか?
実は脳力アップにつながる栄養素が明らかになっているんです!
今回は脳力アップに必要な栄養素の代表である不飽和脂肪酸のDHAについて解説します。
この記事を読めば仕事でのパフォーマンスアップや学力アップ、認知症予防のためにどうすればいいのか知ることができます。
不飽和脂肪酸とは
脂肪を構成している要素である脂肪酸は、分子の構造的な違いから飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類されますが、そのうち植物や魚の脂に多く含まれるものを不飽和脂肪酸といいます。
脂と聞くと体に悪いものだと考えがちですが、脂には体に悪い脂と良い脂の二種類があります。
ざっくりと体に悪い脂を飽和脂肪酸、体に良い脂を不飽和脂肪酸と考えてくださって結構です。
良いほうが「不」なのでまぎらわしいですね(^^)
悪い飽和脂肪酸が多く含まれているのが
マーガリン、肉の脂、生クリームなど
です。
良い不飽和脂肪酸が多く含まれているのが
植物由来の油(オリーブ油や大豆油、えごま油、ココナッツオイルなど)やナッツ類、魚など
です。
そもそも不飽和脂肪酸に注目が集まったのは1970年代のことです。
Dyerbergたちによって「グリーンランド先住民のイヌイットは、移住民のデンマーク人に比べて心筋梗塞の発症率が極めて低い」と発表されました。
その後多くの研究が行われ、どうやら海産物中心の食生活であるイヌイットは、デンマーク移住民に比べて、不飽和脂肪酸摂取量が多いことが理由であると結論づけられました。
不飽和脂肪酸は、心臓や血管のみならず、脳や免疫系を含め多くの器官に良い影響を与えることが分かっており、現在も機能が研究されています。
なかでもDHAは胎児期から老年期まで脳機能を維持するのに必須な栄養素であることが明らかになっています。
DHAとは
DHAとはドコサヘキサエン酸(Docosahexaenoic Acid)の頭文字をとった略称です。
DHAは体内で作ることができないため、食事から摂取することが必要な必須脂肪酸のひとつです。必須脂肪酸とは生物が生きる上で欠かすことができない脂だと考えてください。
もしDHAが不足してしまうと、脳の発達障害やアルツハイマー病などの脳神経系へ悪影響を及ぼしたり、うつ病などの精神疾患を引き起こしたりしてしまいます。
DHAは神経を作ったり、神経を成長させたり、神経が機能を発揮したりするのに重要な役割を担っています。
加えて病気や老化の原因となる炎症や酸化を防ぐ働きもあります。
あまり知られていませんが、実は脳の50~60%が脂質でできています。そのうち約11%がDHAです。
食事から摂取され腸から吸収されたDHAは、肝臓を経て血液の流れに乗って脳に運ばれます。
脳では前述したとおり神経を作ったり成長させたりするわけですが、細かい作用機序まで明らかになっています。
ちょっとマニアックな話になるので、以下は興味のある方だけ読んでください。
DHAは神経細胞膜の流動性を変え、イオンチャンネルや膜関連タンパク質に作用したり、ホスホリパーセA2により細胞膜から切り出された遊離型DHAが直接的または間接的に神経細胞の核や細胞質のタンパク質に作用して機能を発揮すると考えられています。
ほかにもDHAの健康効果として
- 記憶・学習機能向上
- 脳由来神経栄養因子(BDNF)の増加
- 脳血流量と脳での糖利用の連動
- アルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβタンパク質の凝集抑制や解離促進
などが分かっています。
2000年前後から欧米で行われた多くの調査や研究で、アルツハイマー病の発症予防に魚摂取が有効であることが報告されています。
DHAの摂取量目安
一日につき1g~1.5gのDHAを摂取するのが理想的だとされています。
これは
焼いたサンマなら約半分
小型のイワシ約2尾分
刺し身であればマグロ(トロ)で4~5切れ、ブリで6~7切れ
になります。
脂肪の多い魚を週に3回程度食べていれば十分です。
それほど魚を食べる機会がないのであれば、サプリメントで補給するのもひとつです。
脳力アップのためにDHA摂取を心がけましょう!