こんにちは!
代表理事の保田です。
私がリハビリテーション病院に
勤務していて、最近問題だと思って
いるのが日数上限です。
病院でリハビリを受けたことがないと
知らないと思いますが、2006年から
医療保険で受けることができる
リハビリには日数の上限が設けられて
います。
脳血管疾患(脳梗塞や脳出血など)で
180日、
運動器疾患(骨折や腰、関節の手術)で
150日
が医療保険でリハビリできる日数の
上限です。
(ただし難病や重度の頚髄損傷、
脳性麻痺など日数上限から除外される
疾患もあります。
またリハビリの継続により改善が
期待できると医学的に判断された場合も
日数上限から除外されます。)
この日数を超えると医療保険を使って
リハビリを受けることができなくなるため、
介護保険を使うサービス(訪問リハビリや
デイサービス、通所リハビリ)に移行します。
しかしこの制度には問題が2つあります。
ひとつ目は介護認定をもらえないと
介護保険サービスを使えないという
ことです。
介護保険を使えるのは原則65歳以上
なので、65歳未満の方は使うことが
できません。
(ただし特定の疾患に該当すれば
65歳未満でも介護保険を使えます)
またもし仮に65歳以上だとしても、
リハビリを受けるのに十分な介護認定を
もらえないことが多いです。
二つ目の問題点は、介護保険で行う
リハビリは量・質ともに不十分
だということです。
介護認定を受けて、介護保険を
用いてリハビリを受けることが
できたとしても、リハビリを
できるのは週に1~2時間程度です。
これでは時間が全然足りません。
またリハビリを担当する人が
リハビリの専門的な教育を受けた
ことがない場合が多いため、効果的な
リハビリが行われていないことが
多いです。
今の制度では、リハビリが必要にも
関わらず、十分なリハビリを受ける
ことができない【リハビリ難民】
が増え続けてしまいます。
リハビリ難民を救済するには
どうすればよいのでしょうか?
ひとつはリハビリを行える人材を
増やすことです。
介護保険サービスでリハビリを
担当する人が効果的なリハビリを
行えるようになれば、リハビリの
質が向上します。
またあん摩マッサージ指圧師や
柔道整復師などの国家資格者が
リハビリをできるようになれば、
多くの訪問マッサージや整骨院など
でリハビリが受けられるようになります。
実際に私はリハビリを必要と
しながらもリハビリ日数上限に
達してしまった患者さんには、
リハビリができる訪問マッサージや
整骨院をご案内しています。
もうひとつは自費でリハビリを
受ける場所を増やすことです。
実際に自費でリハビリを提供する
サービスが少しずつではありますが
生まれています。
社会保障費が不足し続けるなかで
医療保険や介護保険は必要最低限の
ものにしか利用できなくなりつつ
あります。
フィットネスジムに自費で通うのと
同様に、リハビリも自費で通う
時代になってきています。