こんにちは!

代表理事の保田です。

 

ご高齢者に多い症状のひとつに

便秘があります。

 

便秘を軽視している人が多い

ようですが、便秘が寿命を

縮めることが分かっています。

 

 

排便時にいきむことで血圧は

急激に上昇します。

動脈硬化があるご高齢者では

収縮期血圧が70mmHgも上昇

するといわれています。

 

普段の収縮期血圧が130mmHgの

方であれば、200mmHgまで上昇

するということです。

 

その結果、血管に負担が

かかり、脳出血や大動脈瘤破裂

などが引き起こされる危険性が

高くなります。

 

 

また腸内環境が悪くなるため

大腸ガンになるリスクも高く

なります。

 

 

そればかりではありません。

 

便秘をきっかけに全身の

筋力が低下し、活動性が低下する

悪循環が引き起こされます。

 

どのような悪循環かというと、

まず便秘になることで腸の動きが

悪くなります。それに連動して

腹痛や食欲低下が出現します。

 

すると栄養状態が悪くなり、

筋力低下(サルコペニア)、

心身の虚弱(フレイル)を

引き起こします。

 

サルコペニア、フレイルを

引き起こすと、活動性が低下

するため、便秘はよけいに

悪化するという悪循環に

陥ってしまいます。

 

 

このような悪循環を引き起こさない

ためには便秘対策が重要です。

 

ご高齢者が便秘になりやすい

原因として以下のようなものが

考えられます。

 

(1)加齢に伴う腸の運動の低下

(2)加齢に伴い便意を感じにくくなっている

(3)食事量、水分量の低下

(4)腹筋など排便に必要な筋力の低下

(5)活動性の低下

 

(1)(2)に関しては老化現象なので

対策が困難ですが、

 

(3)に関しては食事を工夫したり

摂取する水分量を決めるなどの

対策がとれます。

 

(4)(5)に関しては運動で解決

できます。

 

私自身、抗ガン剤治療中、

副作用でひどい便秘になり

苦しんだ経験があります。

 

下剤や浣腸を用いても便が出ず、

常に腹痛と腹部の膨満感があり、

動くことが億劫になり、

食事をする気も失せてしまいました。

 

 

その際に行った対策が

運動でした。

 

一般的に腹筋運動やお尻歩きの

運動が有効と言われていますが、

私の場合は腰痛予防のための

体幹のトレーニング&ストレッチ

が有効でした。

 

 

 

 

体幹筋を収縮させることで

便が押し出され、排便に必要な

筋肉が鍛えられため効果的だった

のだと思われます。

 

 

また散歩も有効でした。

歩くことで腸の運動が促される

ことがよかったんだと思います。

 

 

また食事の内容も重要だと

感じました。

 

 

食物繊維の多いものが有効ですが、

イモやゴボウ、豆、穀物などの

不溶性食物繊維ではなく、

海藻類やこんにゃく果物などの

水溶性食物繊維を多めに

摂取するほうが効果的でした。

 

 

食欲がないときは、雑穀米に

山芋をすり下ろしたものを

かけたり、

 

味噌汁にアカモクなどの粘り気の

強い海藻類を入れると食物繊維が

摂取しやすいです。

 

 

薬で一番有効だったのは

麻子仁丸という漢方薬です。

便秘で苦しんでいる患者さんにも

処方していますが、効果がなかった

人はいないくらい良く効きます。

 

 

他に便秘対策で有効なのは

毎日便意がなくても、同じ時間に

便座に座って排便を試みて

排便習慣をつけること、

 

その際前傾姿勢になり、肘を

太ももの上につくようにすること

です。

 

それだけでも排便が促される

ようになります。

 

 

便秘が慢性化して慢性便秘症に

なると、治ることが難しくなります。

 

たかが便秘とあなどらないで

日ごろから便秘にならない

習慣を身につけましょう!