こんにちは!
代表理事の保田です。
先週ブログで説明したように
(老化細胞の真の恐ろしさ→
https://zaitaku-riha.com/archives/621)
細胞は分裂を繰り返すと
染色体のテロメアが短くなり
最終的には分裂できなくなり
細胞は老化します。
老化した細胞は炎症物質を
分泌し、周囲の細部を老化
させたり、自分自身をガン化
させたりします。
ガン化や老化はDNAが損傷
することで起こるのですが、
私たちの体には、ガン化や老化を
防ぐためにDNAが損傷した細胞
を除去する仕組みがあります。
これをDNA損傷応答
(DNA damage response:DDR)
と呼びます。
今日は私たちの体が、老化や
ガン化の原因であるDNAの損傷を
どのように修復しているのかに
ついて説明しますね。
DNAの損傷が検出されると
P53という遺伝子が活性化
されます。
さらにP53はp21という
遺伝子を発現し、細胞分裂を
抑制します。
DNAが損傷しp21遺伝子に
よって細胞分裂を抑制された
細胞は、最終的に免疫細胞に
よって除去されます。
(これをp53-p21経路と
呼びます。)
それとは別に、正常の細胞には
ガン化をしないように自己防衛
する機能が備わっています。
この自己防衛機能を
p16(INK4a)/RB経路
と呼びます。
もし正常の細胞のp16(INK4a)
遺伝子が、発ガン性物質
によって傷つけれらると、
自己防衛機能が失われ
細胞がガン化することが
分かっています。
またガン細胞を調べると
p16(INK4a)遺伝子の
発現が抑制されている
ものが多いです。
P53-p21経路と
p16(INK4a)/RB経路が
老化やガン化を制御する
2大経路として注目
されています。
今後、この2大経路を
コントロールすることが、
老化やガン化を制御する
鍵になると思われます。