こんにちは!

代表理事の保田です。

 

新型コロナウイルス感染症

重症化しやすい原因が解明され、

 

重症化した状態から回復させる

ための治療が行われはじめています。

 

 

新型コロナウイルス感染症が

重症化しやすいのは、

ウイルスが強いからでは

ないんです。 

 

実は感染した人の免疫システムが

自分自身を攻撃して重症化するんです。

 

動画でご覧になりたい方はこちら↓

 

ウイルスが体内に侵入すると、

ウイルスを排除しようとして

免疫システムが作動します。 

 

その際、サイトカインという

物質が体内で分泌されます。

 

サイトカインは免疫システムを

作動させ、活性化するための

物質です。 

 

風邪で熱が出るのは、サイトカインに

よって炎症が引き起こされるためです。

 

適量のサイトカインが分泌される

のであれば、免疫システムが作動し、

活性化した結果、ウイルスを排除

するので問題ありません。 

 

ところがサイトカインが分泌

され過ぎると、炎症が起こり、

免疫細胞が自分自身の体も

攻撃し始めてしまうのです。

 

新型コロナウイルス感染症で

重症化した人の多くは、

サイトカインが大量に

分泌されて、免疫細胞が

自分自身の体を攻撃して

いたのです。 

 

このような状態を

サイトカインストーム

と呼びます。

 

ストームとは嵐という意味です。

 

サイトカインストームが起こると、

血管を攻撃し血管炎をじます。 

 

血管炎が生じると、血管の表面に

血液を固める血液成分である

血小板が集まって、塊を作ります。

 

このような塊が血栓となり、

血管を塞いでしまいます。 

 

すると炎以外にも脳梗塞や

心筋梗塞、腎不全、肝障害、

足の壊死など全身の様々な

場所に害が及びます。 

 

このような状態を多臓器不全

といいます。 

 

糖尿病や脳梗塞、膠原病などの

病気を元々もっている人が重症化

しやすいのは、元々血管炎が

あるためです。 

 

報道されないので知られて

いませんが、新型コロナウイルス

感染症で重症化した人たちは、

肺炎以外にも前述した様々な

臓器やられてしまっています。

 

ひとつの臓器が不全状態に

なっても命に関わるので、

多臓器不全ともなると

延命は難しいです。 

 

新型コロナウイルス

とても恐いウイルスだと

誤解されていますが、

 

の毒性は風邪のウイルス

大差ありません。 

 

恐いのはサイトカインストームを

起こし多臓器不全を引き起こす

ことです。 

 

そしてサイトカインストームを

起こしているのは、人間の

なのです。 

 

サイトカインストームのような

状態になる病気があります。 

 

自己免疫疾患と呼ばれるものです。

 

膠原病、関節リウマチという方が

耳馴染みがあるかもしれませんね。 

 

自己免疫疾患とは自分の免疫細胞が、

自分の体を攻撃してしまう病気の

ことをいいます。 

 

関節リウマチであれば、免疫細胞が

関節を攻撃してしまい、関節炎や

関節破壊を起こします。 

 

関節リウマチの人の関節では

サイトカインが過剰に分泌

されています。 

 

そこで関節リウマチの治療

サイトカインをブロックする

薬が用いられます。 

 

サイトカインの中でもIL-6

というものをブロックする

アクテムラという薬がある

のですが、

 

この薬が新型コロナウイルス感染症で

重症化した人の治療に有効性が

ありそうだと分かってきました。

 

新型コロナウイルス感染症にかかり、

重症化し人工呼吸器が必要となった

人にアクテムラを投与したところ、

一週間で人工呼吸器を外すことができ、

その後回復しました。 

 

しかしアクテムラは、免疫を

抑制してしまうという側面も

あります。 

 

場合によってはウイルスの

活動性が増してしまう危険性が

あります。 

 

そのため諸刃の剣となるため

使用には十分な注意が必要です。

(現時点では保険適応外なのも

問題です)

 

重症化のメカニズムが解明されて

きたことで、今後重症化を予防する

治療法が確立されることと思います。

 

重症化を予防できるようになれば、

新型コロナウイルスへの脅威は

激減します。

 

ワクチンや治療薬の開発とともに

重症化予防が三本柱になると

思われます。