まずは結論から

まずは結論からお話します。

約20〜40%は最終的に手術が必要となりました。いっぽうで手術を必要としなかった人のうち約50~70%は痛みが軽くなっていました。

★手術以外の治療でも、5年後に何も支障がない人が52.5%でした

それぞれについて詳しく解説していきます。

約20〜40%は最終的に手術が必要となりました。いっぽうで手術を必要としなかった人のうち約50~70%は痛みが軽くなっていました。

軽度から中等度の人で、はじめに薬による治療(NSAIDs,筋弛緩薬,メチルコバラミンなど)やその他の保存治療(装具治療,腰痛学級・患者教育,運動療法,硬膜外ステロイド注入など)を受けた人のうち、約20〜40%は最終的に手術が必要となっていました。

また手術に至らなかった人のうち、約50〜70%の人は痛みが改善しました。

参考文献

Amundsen T, Weber H, Nordal HJ et al:Lumbar spinal stenosis:conservative or surgical management?:A prospective 10-year study. Spine 2000;25(11):1424-1435:discussion 1435-1436

Englund J:Lumbar spinal stenosis. Curr Sports Med Rep 2007;6(1):50-55

Simotas AC:Nonoperative treatment for lumbar spinal stenosis. Clin Orthop 2001;384:153-161

Waikakul W, Waikakul S:Methylcobalamin as an adjuvant medication in conservative treatment of lumbar spinal stenosis. J Med Assoc Thai 2000;83(8):825-831

Zucherman JF, Hsu KY, Hartjen CA et al:A multicenter, prospective, randomized trial evaluating the X STOP interspinous process decompression system for the treatment of neurogenic intermittent claudication:two-year follow-up results. Spine 2005;30(12):1351-1358

手術以外の治療でも、5年後に何も支障がない人が52.5%でした

腰部脊柱管狭窄症のため10分以上休まず歩くのが困難な人のうち、入院して行った手術以外の治療が効果的であった120人の経過を5年間追いかけて調査しました。

その結果、症状に関しては

  • 改善したのが52人(43.3%
  • 不変が20人(16.7%)
  • 悪化したのが48人(40.0%)
  • 後に手術が必要になったのが19人(15.8%

でした。

日常生活動作に関しては

  • 症状がなかく何も問題なかったのが26人(21.7%
  • いくつかの症状はあるが支障のなかったのが37人(30.8%
  • なんらかの支障のあったのが35人(29.2%)
  • 大きな支障があったのが22人(18.3%)

でした。

つまり手術以外の治療でも、5年後に何も支障がない人が52.5%でした!

まとめ

  • 腰部脊柱管狭窄症の人のうち、半数以上の人が手術をしなくても症状が改善する可能性があります。
  • 約15~40%の人は手術が必要となる可能性があります。