1.習慣で予防する
今までやったことがないことに取り組むと、脳のなかで使ったことがない部分が刺激され脳が活性化します。
あらたに楽器を始めたり、知らない言語を学んだり、読んだことのないジャンルの本を読んだりしてみてください。
脳がいきいきとし、脳力が向上します。
新しい趣味やスキルを学んだりして新たなことに挑戦すると、脳に次のような変化が起こることが明らかになっています。
■脳神経細胞同士のつながり(シナプス)が強化され神経回路が発達するため、情報処理能力が向上します
■神経栄養因子が増加し神経細胞の成長が促進され脳全体の機能がアップします
2.運動で予防する
ボストン大学の研究によって、中年期の運動が脳の萎縮を予防することがわかりました。
運動により脳の血流が増え、酸素が多く運ばれるようになり、認知力低下を予防できる可能性が高いと考えられます。
また運動によって筋肉が刺激されると成長ホルモンが分泌されます。
成長ホルモンは肝臓を刺激してIGF-1という物質を分泌させます。IGF-1は脳の海馬という記憶を司る領域の神経細胞を増殖させます。
運動は脳力アップにつながります。
これは中年期に限らず、生涯を通じて言えることです。
子供の運動と脳の発達に関する調査でも運動が脳の知的機能の発達や、脳のクリエイティブな部分の発達、感情のコントロール、社交性、やる気、我慢強さを育てるのに有効であることが分かっています。
また1週間に90分(1日当たりにすると15分程度)歩く人は、認知機能が良いことが研究の結果分かりました。
研究では、脳の健康を維持するアセチルコリン神経が活性化され、脳の血液の流れが良くなることが分かりました。また脳を守る重要なタンパク質を増やしたり、神経細胞のダメージを軽減していました。
海馬の血流はどんな歩行速度でも増加しておりましたが、最も効果的なのは普通の速度でした。
歩行速度を上げると血圧が上昇し心臓や血管に負担をかけてしまいます。
マイペースでゆっくりと歩くことが認知症予防には有効です。
3.メタボ対策で予防する
メタボという言葉はかなり一般化したのであなたもご存じだと思いますが、メタボ対策が認知症予防になることは知っていますか?
メタボは「メタボリックシンドローム」の略で、糖尿病をはじめとする生活習慣病の前段階の状態を示すものです。国立国際医療研究センターHPより引用
ウエスト周囲径(おへその高さの腹囲)が男性85cm・女性90cm以上で、かつ血圧・血糖・脂質の3つのうち2つ以上が基準値から外れると、「メタボリックシンドローム」と診断されます。厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイトより引用
アルツハイマー病はメタボ対策を行うことで予防可能なことが分かってきました。
アルツハイマー病はアミロイドβというタンパク質が脳に溜まることが原因とされています。
このアミロイドβを分解してくれる酵素は、血糖値を下げるインスリンも同時に分解しています。
糖尿病の初期段階ではインスリン分泌量が増えます。その結果、インスリンを分解するのに酵素が使われてしまい、酵素が不足してしまいます。その結果、アミロイドβが分解されずに脳に溜まりやすくなってしまいます。
認知症予防のためにも炭水化物や甘い物の食べ過ぎに注意しましょう!
4.食品で予防する
糖尿病は血糖値が高くなりはじめてから20年ほどで発症すると言われています。
脳に原因となるアミロイドβを溜めないためには40代から血糖値に気を付けておく必要があります。
またオリーブオイルには認知症予防効果があります。
特にエクストラバージンオイルに含まれるオレオカンタールという物質はアミロイドβが脳に溜まるのは防いでくれます。
カレーなどに使われる香辛料のウコン(ターメリック)に含まれるクルクミンもアミロイドβが脳に沈着するのを防ぐことができます。
5.匂いで予防する
認知症は脳の記憶を司る領域である海馬が萎縮することで起こります。
この海馬は嗅覚とも関連が深い領域です。あなたもふと嗅いだ匂いから過去の記憶が蘇った経験が一度はあるでしょう。
嗅覚を刺激することで海馬を活性させることができます。
海馬の神経細胞が活性化し認知症を予防できます。
とくにローズマリーによるアロマテラピーが有効とのことです。
エッセンシャルオイルをコップの水に数滴垂らすだけでも匂いを楽しむことができます。
専用のアロマポットなども手頃な値段で購入できるのでオススメです。